技術資料
冷却塔

試運転方法

1 運転準備

1-1) 清掃

下部水槽の最低部(落し込み水槽)にあるドレンを開き、水槽内に溜まっている「埃」や「ゴミ」などをブラッシングしながら洗い流してください。
その際、ストレーナやルーバに付着している塵埃・スケール・藻などの汚れも落としてください。

1-2) 通水

a.補給水圧力を確認してください。0.03MPa~0.3MPa(0.05MPa以上でのご使用を推奨いたします。)
b.下部水槽内のオーバーフロー水位まで手動給水等で注水してください。(ボールタップの停止水位はオーバーフロー水位より低い位置になります。)
c.循環水系統内のすべてに水が満たされるように給水し、ポンプ・配管の空気抜きをしてください。密閉式冷却塔内循環水の空気抜きは、熱交換器ヘッダー上部の空気抜きバルブで行ってください。
d.ポンプの回転方向を確認してください。逆転のまま運転すると、振動により回転体のボルトのゆるみなどで故障の原因になります。逆転の場合は直ちに運転を停止し、結線変えをしてください。
e.ポンプを始動して、塔体内部や通水管系統の汚れを十分に洗い落とし、新しい水と入れ替えてください。塔内や上部散水槽の散水孔に汚泥や異物などの付着があるときは、取り除いてください。

1-3) 点検

a.ファン先端とファンケーシングが接触していないか点検してください。
b.供給電圧を測定し電源電圧が仕様通り(正規)であることを確認してください。
c.ベルト減速機のベルトは、納入の際に使用可能な状態に調整してありますが,運転開始前には必ず点検・調節してください。
d.ギヤードモータの場合は、潤滑油がギヤーケース内に給油されているか,潤滑油が油面計の中心まであるか、運転前に必ず確認してください。
e.ファンを短時間回転させ、空気が上に吐出されていることを確認してください。(ファンの回転方向は、ファン下側から見て反時計方向です。逆転する場合は、結線変えをしてください。)
f.点検や清掃作業の際、上部散水槽には乗らないで下さい。
g.ポンプを手回しして、軽く回転するか確認してください。動きが重い場合やムラがあるときは、内部の錆付きなどが原因ですので、点検・修理してください。

2 運転開始

2-1) 循環水ポンプ/密閉式冷却塔の散布水ポンプ

a.下部水槽水位が所定水位(オーバフロー水位)にあることを確認してください。
b.循環水系統全域に十分水が行きわたるように、循環水ポンプを短時間ずつ何度も発停させ、給水量とのバランスをとりながら注水を行ってください。
c.運転開始後、配管系統の仕切弁を徐々に開き冷却塔の銘板水量になるように調整してください。
d.開放式冷却塔の上部散水槽の流量バランスは冷却塔の流量調整弁で調整してください。
e.ポンプを運転し、振動や異常音などがしていないか確認し、異常があれば「トラブルシューティング」を参照してください。

2-2) ファン始動

注意 ファンを始動させるときは、冷却塔の吸込口・吐出口周辺に異物がないか十分注意してください。吐出口周辺に異物が残っていると、ファンの振動などで冷却塔内部に落下し、ファンによりはじき飛ばされたり、ファン自体を損傷する恐れがあります。十分注意してください。

a.塔体周辺や吸込口付近に異常がないことを確認してから、ファンを始動してください。
b.定常にはいったらモータ銘板の定格電流値範囲で運転しているか確認してください。
c.ファン用モータの始動頻度は1時間に4 回以下になるよう、制御条件に注意してください。自動制御運転などを計画する場合は短時間で始動/停止が発生しない制御方法か、インバータなどによる回転数制御を検討してください。
d.ファンを2時間~3 時間運転し、振動や異常音などがしていないか確認し、異常があれば「トラブルシューティング」を参照してください。

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