
技術資料
冷凍機
次世代冷媒への取り組み
冷媒の規制と移り変わり
冷凍空調機器に使用される冷媒は地球温暖化防止対策の一環として、国際的な規制の動きが始まっています。
オゾン層保護を目的とした環境条約「モントリオール議定書」では、徐々に規制が強化され、2019年1月に発効した「キガリ改正」によって、日本を含む先進国は2036年までにHFCの生産及び消費量を段階的に85%削減することが義務付けられました。
日本においてもキガリ改正の合意によって「フロン排出抑制法」による規制が順次強化され※1、機器メーカに対して低GWP冷媒への転換を求める「指定製品制度」にターボ冷凍機を追加し2025年以降GWPを100以下に規制する案が行政から2017年に公表され※2、最終的に2019年1月に告示されました。
※1 キガリ改正を踏まえた新たな代替フロン規制の基本的事項等について(環境省)
※2 指定製品の目標値及び目標年度の設定について(案)平成29年12月18日(経済産業省)
フロン排出抑制法 | |
---|---|
対象 | 非対象 |
フロン類(CFC, HCFC, HFC) | ノンフロン・低GWP冷媒 |
R-11, R-12, R-134a, R-407c,R-245fa, 他 | R-1224yd(Z),R-1234yf, H2O, 他 |
フロン排出抑制法とは
フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律(フロン排出抑制法)は、フロン類の製造から廃棄までライフサイクル全般に対して包括的な対策を実施するため、フロン回収・破壊法を改正し、平成27年4月に施行された法律です。
令和2年4月1日より改正フロン抑制法が施行されました。
参考 フロン排出抑制法ポータルサイト「フロン排出抑制法の概要」(環境省)
製品メーカーに対しての遵守事項
フロン排出抑制法では、日本において大量に使用され、かつ、相当量のフロン類が使用されているものであって、その使用等に際してのフロン類の排出の抑制が技術的に可能な製品を「指定製品」として指定しています。
- 指定製品に使用されるフロン類のGWPの低減
- 製品の設計・製造等におけるフロン類の充塡量の低減
- 使用するフロン類などに関する表示の充実
機器所有者に対しての遵守事項
- 冷媒漏えいに関わる機器の点検の実施(定期点検と簡易点検)
- 冷媒漏えいに関わる点検・整備記録簿の作成・記載・保存(点検と整備の結果の記録)
- 算定漏えい量の報告(1,000トンCO2以上の場合)
- 機器廃棄時の行程管理制度遵守(行程管理表の起票、承認、保存)
- フロン排出抑制法の義務に違反した管理者は即罰則(2020年4月改正後から直罰化)